案内させてもらえない
ある大手の仲介会社に、レインズに掲載されている物件を案内させてほしいと伝えても、
「売主様がカギをお持ちですので、案内できません。」
(じゃ、なんで売りに出てるのじゃ?)
「商談中です。」
(登録されてからずっと商談中・・・)
「担当者の立ち合いになるので前日までにおっしゃってください。」
(空き家なのに?今すぐ見たいお客様はダメですか?)
「お客様が共働きで内覧できる日が限られてきます・・・」
(内覧できる日、できない日をまとめてもらって、いざ内覧の要望を伝えると・・・)
「その日は無理になりました・・・」
(・・・・・・・)
などなど、まぁ簡単に案内させてくれません。これっていわゆる「不動産情報の囲い込み」っていう可能性が非常に高いんです。
不動産情報の「囲い込み」って何?
不動産業界という所は、会社の規模を問わず物件の「囲い込み」が日常茶飯事で行われているんです。
売主様からお預かりした物件を自社で抱え込み、他社には紹介しないという売り主様にとってマイナスにしかならない行為が「囲い込み」です。
売主様から専任で売却の依頼を受けた不動産会社は、その物件を自社だけで販売せず、不動産業界全体で情報を共有し、多くの会社で販売できるようにしなければなりません。
専任で売却依頼を受けた不動産会社が、故意に情報を隠したり独占することは禁じられています。また、専任で媒介契約を受けた場合、物件情報を「指定流通機構(レインズ)」へ登録する事が義務付けられています。(レインズとは、国土交通省が管轄する不動産会社間の物件情報共有システムのようなものです。)
レインズに登録することにより、他の不動産会社にも物件情報が行き渡り、数多くの購入希望者に紹介されます。(自社だけでなく、多くの不動産会社の集客力・営業力が利用できるようになるということです。)ですので小さな不動産会社でも多くの物件をお客様に紹介できるようになっているんです。
仲介手数料の仕組み
売却依頼を受けた不動産会社は売主から仲介手数料を受取り(片手仲介)、購入依頼を受けた不動産会社は買主から仲介手数料を頂きます(片手仲介)。売却依頼を受けた不動産会社が買主も見つければ、売主・買主双方から手数料を頂けるので倍の収入になります(両手仲介)
不動産売却の依頼を受けた不動産会社がきちんとレインズに登録し、広く情報を流通させたうえであれば、売主・買主双方からの手数料をいただいても違法ではありません。しかし、実態として、レインズに物件登録はするものの、“商談中”や”契約予定”として、実質的には情報公開しないケースや資料を請求しても資料を公開しないケースがすごく多いのです。
売主様はそんな事とはつゆ知らず、“ちゃんと活動してくれている”と思われていると思いますが、実際は「両手仲介」のため(=自社売上のため)だけの活動しか行わない仲介会社がほとんどです。義務なのでレインズには登録はしますが、他業者には絶対紹介しない、させない、それが「囲い込み」です。
「囲い込み」には売り主様のメリットが全くありません
不動産情報の囲い込みは「買主候補者がいるので内覧させてください」と他の会社が連絡を入れたとしても、「その物件はお話が入っています」とか「契約予定です」などと、嘘をついて断ってしまうヒドイ行為です。
なぜヒドイのかというと、売主様の売却機会の損失や、後に販売価格の値下げにつながる可能性があるからです。たとえば、早期に現金化する必要のある売主様の場合は、売却が遅れると現金を作るために買取会社に安く買い叩かれてしまいます。また買替えの場合は不動産が売れてくれないと資金計画が立てられず、住宅ローンのダブル払いになったり、買い替え先の物件が買えないなど計画が破綻してしまいます。
裏金目的の営業マンもいる
担当者の中には、最初から一般の市場に売る気はなく、お抱えの業者に買ってもらってバックマージンをもらったり、自社で安く買い叩いて転売し売り上げを伸ばすことを第一の目的にしている輩もいます。
このように、不動産会社が自社利益のみを考え、物件を囲い込み、売主様に対して背信行為を行っていることが非常に多いんです。また、囲い込みはたちの悪いことに、もっと高く、早く買ってくれたお客様が他業者の見込み客の中にいたかも知れないのに、売主様は売却した後もそれに気づかずに終わってしまうことです。絶・対・に・許せない行為なんです!
どんなに大きな会社でも1社の販売力はたかだか知れています。
どんなに大きな不動産会社でも1社の販売力はたかだか知れています。関西全域の不動産会社の数と集客力・営業力の総数には全く及びません。
物件の囲い込みが行われれば、売主様には何のメリットもありません。売却依頼をしてからの内覧数が少なすぎる場合や、値下げの話を頻繁にもって来るなと感じたら、スグにお調べします。(囲い込みされていない場合は、物件価格が相場から外れている場合があります。)
レインズ側でも罰則規定などを強化しておりますが、まだまだ囲い込みがなくなりません。
同じ会社同士でも支店ごとに争って物件を囲み互いに案内させないような信じられないような会社もあります・・・汗
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